【日本茶のエスプレッソ!?】玉露の淹れ方を事前準備から必要な道具、淹れ方のまで徹底解説

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コンビニやスーパーで見かけるペットボトルのお茶や、お菓子に使われる抹茶風味の商品。その中に「玉露入り」「玉露仕立て」と書かれているものもありますよね。なんとなく“煎茶や抹茶の高級版”というイメージを持っている方も多いかもしれません。
でも実は、玉露は煎茶の高級版ではありません。そして、抹茶の高級版でもありません。

玉露は、製造過程も、淹れ方も、そして楽しみ方もまったく違うお茶。
例えて言うなら玉露は日本茶のエスプレッソ!この記事では、そんな「玉露」の淹れ方を、やさしく紹介します。

このページで紹介するのは家庭でできる基本的な急須を使った玉露の淹れ方です。
煎茶やほうじ茶など、他の日本茶の淹れ方をお知りになりたい方はこちらからどうぞ
ざっくり分量だけ知りたい方はこちらの早見表をどうぞ

用意するもの

玉露の茶葉 … 10g
お湯 … 熱湯でたっぷり
急須
湯冷まし
茶碗

実際に使う湯は1煎につき80mlですが、たっぷり沸かした方が湯温が安定しコントロールしやすくなります。

目次

事前準備

お茶に適した水とは?

日本茶の風味を活かすには軟水が良いとされています。
日本国内の水道水は軟水が多く、日本茶に向いています。
水道水が硬水の地域や日本国外で淹れる場合は軟水のミネラルウォーターを使用してください。

水道水を使用する場合は「カルキ抜き」をして塩素臭を消し、水の状態を整えます。
カルキの抜き方はいくつかありますが、ここでは沸騰でカルキを抜いていきます。

水道水からほうじ茶を淹れる:カルキを抜いて水を整える

水道水を使用する場合は「カルキ抜き」をして塩素臭を消し、水の状態を整えます。
カルキの抜き方はいくつかありますが、ここでは沸騰でカルキを抜いていきます。

カルキ、カルキ臭とは?
カルキとは、水道水消毒に使われる「次亜塩素酸カルシウム」や「次亜塩素酸ナトリウム」を指す俗称です。水中の病原菌や微生物を殺菌する目的で使われ、その独特の塩素臭が「カルキ臭」として知られています。

鍋ややかんに水を入れ。5~10分沸騰させます。

ふたを閉めたままで沸騰させたり、短時間の沸騰ではかえってカルキ臭を感じやすくなる場合があります。おいしく煎茶をいただくために、ここはしっかりと時間をかけて沸騰させましょう。
カルキが抜けた水は傷みやすくなります、沸騰後は冷蔵庫に保管し2日以内に使い切ってください。

道具選びも楽しみのひとつ:急須の選び方

急須は日本茶を淹れるために使われる、持ち手のついた道具です。
持ち手の位置は注ぎ口に対して直角(横手)、後ろ(後ろ手)、蓋の上にあります。
ささめと呼ばれる茶漉し一体型の物、金属製の網がついているもの。網かごがついているものなど各種あります。

私の愛する急須?たち

どのような急須が良いですかとよく質問されますが、私はどの形状の急須でもいいと思ってます。
手にしっくりくるもの、色や形が好みのもの、掃除がしやすいもの…毎日使いたいと思えるものがいい急須!
たくさん急須を持っていても、使う気にならないなら意味がありません。
ポイントはお湯の量に対し、しっかり茶葉が浸るかどうか
また、急須は手返しによって浸出を促していくので、手に取ってみて「手返ししやすい」と感じたものを選ぶといいでしょう。

ここでは金属製の網がついている横手の急須を使っていきます。

中の茶葉が見やすいので、撮影はこのこが多いです

お湯を沸かして準備完了!

お湯を沸かします
直前に水道水のカルキ抜きで沸騰させた場合はそのまま使用してもOK
私はカルキ抜きをした湯を湯沸かしポットに入れておいて、いつでも淹れられるようにスタンバイさせてます。

ポイントは「湯温・湯量・浸出時間」

お茶をおいしく淹れるためのポイントは「湯温・湯量・浸出時間」。この3つを意識するだけで味がきまります。
まずは基本の淹れ方やパッケージの淹れ方通りに淹れてみて。
慣れたら低めの湯温で淹れて甘みを引き出したり、高めの湯温で渋みを引き出すなど自分なりにカスタマイズしてみてください。急冷や水出しを試すのも面白いでしょう。
自分がいいなと感じた淹れ方が、そのお茶の「いいところ」です🍵🌿

玉露を淹れていこう

1煎目を淹れる

茶葉を急須に入れる

玉露の茶葉(10g)を急須に入れます

たっぷり

茶碗を温めながら湯温を調整する

お湯(80ml)を茶碗に注ぎ、茶碗を温めます。
茶碗に入れることで茶碗を温めながら湯量を過不足なく準備できます

器の大きさや材質にもよりますが一度器に注ぐごとに熱が器に移り、10℃ほど湯温が下がります。

さらに湯温を下げる

玉露に適したお湯の温度は50℃。
茶碗を温めただけではまだ熱いので、次に湯冷ましに注ぎ、さらに温度を下げていきます。
湯冷ましがなければマグカップや茶碗でも、適温に調整できればOKです。

湯を注ぐ

50℃はぎりぎり手を入れられる位の温度が目安です。
適温になったところを見計らって、お湯を急須に注ぎます。

急須に蓋をして2分じっくり待ちます。

2煎目もいただく場合は、ここで急須の湯をどのあたりまで注げばいいか確認しておくとラク

茶を注ぐ

茶を茶碗に注ぎます。
しっかり手返しをして茶葉の浸出を促しながら注ぎます。

ここでも回し注ぎ&手返しはします

最後の1滴まで注ぎきります。

どうして最後の1滴まで注ぎきるの?

最後の1滴はゴールデンドロップと呼ばれ、旨味や香りが凝縮されているとされているのでぜひ味わってください。
また、急須に湯を残してしまうと残された水分で浸出が進み苦渋味が強くなることがあるため、2煎目3煎目に影響があります。
最後一滴は1煎目に飲めばゴールデンドロップ、2煎目に残せば失敗の原因となってしまう。重要なターニングポイントです。
ここはしっかりと最後の1滴まで注ぎきりましょう。

できあがり!

50℃で淹れた玉露は、すぐ飲める温度に仕上がっています。
急須をゆすって網と茶葉の間に隙間を作り、急須の蓋は少しずらして茶葉が蒸れないようにして2煎目に備えます。

凝縮された旨味をいただく

2煎目、3煎目を淹れる

2煎目の湯を注ぐ

1煎目に注いだ場所ま急須に湯を注ぎます。
湯温は1煎目より5~10℃暖かいものがベストです。
1煎目のように茶葉が湯を吸わないので気持ち少なめに注ぎ、急須に蓋をして30秒ほど待ちます。

2煎目の茶を注ぐ

茶を茶碗に注ぎます。
複数の茶碗に注ぐ時は回し注ぎ。茶碗が1つの時も手返しをして茶葉の浸出を促しながら注ぎます。
1煎目と同じく最後の1滴まで注ぎきり、急須をゆすって網と茶葉の間に隙間を作り、急須の蓋は少しずらして茶葉が蒸れないようにします。

3煎目の湯を注ぐ

1煎目に注いだ場所まで急須に湯を注ぎます。
湯温は2煎目より5~10℃暖かいものがベストです。
急須に蓋をして20秒ほど待ちます。

3煎目の茶を注ぐ

茶を茶碗に注ぎます。
複数の茶碗に注ぐ時は回し注ぎ。茶碗が1つの時も手返しをして茶葉の浸出を促しながら注ぎます。
急須をゆすって網と茶葉の間に隙間を作っておくと、茶葉が取り出しやすく片付けが楽になります。

補足

  • 玉露は煎茶とも抹茶とも異なる味わいです、ぜひ一度試してみてください
  • 煎茶の淹れ方をしても味わい深くおいしくいただけます
  • 茶葉により煎の出方が異なるので、3煎目は味がない時もあれば4煎5煎いける時もあります
  • 煎の間はなるべく開けない方がおいしくいただけます
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