煎茶は日本茶の定番。
でも「試飲したのに家で飲むとおいしくない」「お店のように香り高く淹れるのは難しい」と感じたことはありませんか?私も最初はポットで沸かしたお湯をそのまま注いでしまい、渋くて驚いた経験があります。
この記事では、私が何度も試して実感した「家でおいしく淹れるコツ」をご紹介します。
このページで紹介するのは家庭でできる基本的な急須を使った煎茶の淹れ方です。
ほうじ茶や玉露など、他の日本茶の淹れ方をお知りになりたい方はこちらからどうぞ
ざっくり分量だけ知りたい方はこちらの早見表をどうぞ
煎茶の茶葉 … 6g
お湯 … 熱湯でたっぷり
急須
茶碗2つ、またはマグカップ
実際に使う湯は1煎につき180mlですが、たっぷり沸かした方が湯温が安定しコントロールしやすくなります。
事前準備
お茶に適した水とは?
日本茶の風味を活かすには軟水が良いとされています。
日本国内の水道水は軟水が多く、日本茶に向いています。
水道水が硬水の地域や日本国外で淹れる場合は軟水のミネラルウォーターを使用してください。
ここでは水道水を使って煎茶を淹れていきます。
水道水から煎茶を淹れる:カルキを抜いて水を整える
水道水を使用する場合は「カルキ抜き」をして塩素臭を消し、水の状態を整えます。
カルキの抜き方はいくつかありますが、ここでは沸騰でカルキを抜いていきます。
鍋ややかんに水を入れ。5~10分沸騰させます。

ふたを閉めたままで沸騰させたり、短時間の沸騰ではかえってカルキ臭を感じやすくなる場合があります。おいしく煎茶をいただくために、ここはしっかりと時間をかけて沸騰させましょう。
カルキが抜けた水は傷みやすくなります、沸騰後は冷蔵庫に保管し2日以内に使い切ってください。
道具選びも楽しみのひとつ:急須の選び方
急須は日本茶を淹れるために使われる、持ち手のついた道具です。
持ち手の位置は注ぎ口に対して直角(横手)、後ろ(後ろ手)、蓋の上にあります。
ささめと呼ばれる茶漉し一体型の物、金属製の網がついているもの。網かごがついているものなど各種あります。

どのような急須が良いですかとよく質問されますが、私はどの形状の急須でもいいと思ってます。
手にしっくりくるもの、色や形が好みのもの、掃除がしやすいもの…毎日使いたいと思えるものがいい急須!
たくさん急須を持っていても、使う気にならないなら意味がありません。
ポイントはお湯の量に対し、しっかり茶葉が浸るかどうか。
また、急須は手返しによって浸出を促していくので、手に取ってみて「手返ししやすい」と感じたものを選ぶといいでしょう。
ここでは金属製の網がついている横手の急須を使っていきます。

お湯を沸かして準備完了!
お湯を沸かします
直前に水道水のカルキ抜きで沸騰させた場合はそのまま使用してもOK
私はカルキ抜きをした湯を湯沸かしポットに入れておいて、いつでも淹れられるようにスタンバイさせてます。
お茶をおいしく淹れるためのポイントは「湯温・湯量・浸出時間」。この3つを意識するだけで味がきまります。
まずは基本の淹れ方やパッケージの淹れ方通りに淹れてみて。
慣れたら低めの湯温で淹れて甘みを引き出したり、高めの湯温で渋みを引き出すなど自分なりにカスタマイズしてみてください。急冷や水出しを試すのも面白いでしょう。
自分がいいなと感じた淹れ方が、そのお茶の「いいところ」です🍵🌿
煎茶を淹れていこう
1煎目を淹れる
茶葉を急須に入れる
煎茶の茶葉(6g)を急須に入れます

茶碗を温めながら湯温を調整する
お湯(180ml)を茶碗に注ぎ、茶碗を温めます。
茶碗に入れることで茶碗を温めながら湯量を過不足なく準備できます。

器の大きさや材質にもよりますが一度器に注ぐごとに熱が器に移り、10℃ほど湯温が下がります。
茶碗に注ぐ前の湯温が80℃くらいとすると、一度注ぐことで70℃、煎茶を淹れるのに丁度よい温度になります。
湯を注ぐ
茶碗が十分温まり、丁度よい温度になったらお湯を急須に注ぎます。

急須に蓋をして30秒待ちます。
2煎目もいただく場合は、ここで急須の湯をどのあたりまで注げばいいか確認しておくとラク
茶を注ぐ
茶を茶碗に注ぎます。
複数の茶碗に注ぐ時は回し注ぎ。茶碗が1つの時もしっかり手返しをして茶葉の浸出を促しながら注ぎます。

最後の1滴まで注ぎきります。
最後の1滴はゴールデンドロップと呼ばれ、旨味や香りが凝縮されているとされているのでぜひ味わってください。
また、急須に湯を残してしまうと残された水分で浸出が進み苦渋味が強くなることがあるため、2煎目3煎目に影響があります。
最後一滴は1煎目に飲めばゴールデンドロップ、2煎目に残せば失敗の原因となってしまう。重要なターニングポイントです。
ここはしっかりと最後の1滴まで注ぎきりましょう。
できあがり!
70℃で淹れた煎茶は、注ぐことでさらに温度が下がって飲みやすくなっています。
急須をゆすって網と茶葉の間に隙間を作り、急須の蓋は少しずらして茶葉が蒸れないようにして2煎目に備えます。

2煎目、3煎目を淹れる
2煎目の湯を注ぐ
1煎目に注いだ場所ま急須に湯を注ぎます。
湯温は1煎目より5~10℃暖かいものがベストです。
1煎目のように茶葉が湯を吸わないので気持ち少なめに注ぎ、急須に蓋をして15秒待ちます。
2煎目の茶を注ぐ
茶を茶碗に注ぎます。
複数の茶碗に注ぐ時は回し注ぎ。茶碗が1つの時も手返しをして茶葉の浸出を促しながら注ぎます。
1煎目と同じく最後の1滴まで注ぎきり、急須をゆすって網と茶葉の間に隙間を作り、急須の蓋は少しずらして茶葉が蒸れないようにします。
3煎目の湯を注ぐ
1煎目に注いだ場所ま急須に湯を注ぎます。
湯温は2煎目より5~10℃暖かいものがベストです。
急須に蓋をして10秒待ちます。
3煎目の茶を注ぐ
茶を茶碗に注ぎます。
複数の茶碗に注ぐ時は回し注ぎ。茶碗が1つの時も手返しをして茶葉の浸出を促しながら注ぎます。
急須をゆすって網と茶葉の間に隙間を作っておくと、茶葉が取り出しやすく片付けが楽になります。
補足
- 茶葉により煎の出方が異なるので、3煎目は味がない時もあれば4煎5煎いける時もあります
- 煎の間はなるべく開けない方がおいしくいただけます

